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 近年、地球温暖化対策の一環として、バイオ燃料の利用が急速に推進されています。しかし、森林の伐採や食糧不足などの問題を引き起こしているとも指摘されています。バイオ燃料のメリットはあるのでしょうか?また、どのような問題があるのでしょうか?

各国の計画

 米国では、2005年現在1620万kLのバイオ燃料が生産されていますが、2022年までに1億4000万kLの生産を計画しています。すでに、生産されているトウモロコシの25%がバイオエタノールの原料として消費されています。

 EUでは、2020年の輸送用燃料の10%をバイオ燃料に転換することを計画しています。バイオエタノールの利用は、2006年の94万トンから2020年に1557万トン、バイオディーゼルの利用は、2006年の540万トンから2020年に1903万トンにすることを計画しています。

 日本では、2010年までに運輸部門で50万kLのバイオ燃料を利用することを計画しています(需要の1%弱)。このうち、国内で供給可能な量は3.6〜4.6万kLのため、大部分を輸入することになりそうです。2030年までに石油依存度を80%に削減することを計画しています。

エネルギー利益率

 植物は光合成を行う際に、大気中のCO2を吸収して成長します。したがって、バイオマスを利用したバイオ燃料を燃やす際に排出されるCO2は、元々大気から吸収したものと考えられるため、地球温暖化の原因とはならないとみなされています(カーボンニュートラル)。

 しかし、原料からバイオ燃料を生産する際や、原料や燃料を運搬する際にもエネルギーを消費します。バイオ燃料のエネルギー効率を評価する指標として、生産・輸送に費やすエネルギーに対して、得られるエネルギーの比率(EPR)が用いられています。

  • トウモロコシを原料としたバイオエタノールのEPRは1.3倍
  • 大豆を原料としたバイオディーゼルのEPRは1.93倍

環境・社会への影響

 バイオ燃料の原料を生産するために、新たな農地が切り開かれることになり、その際に森林の伐採などを伴えば、樹木や土壌に蓄積されている炭素の排出を促すだけでなく、生態系の破壊を招くことになります。

インドネシアのパーム油

  • 需要増加により、インドネシア国内の食用油の値段が2倍に高騰
  • 森林破壊により、かえって温暖化を招くという指摘もある。その理由:
    • アブラヤシは樹木よりCO2吸収力が低い
    • 開発時に火入れを行なう
    • 土壌内の炭素がメタン(温室効果はCO2の20倍)として大気に放出される
  • Wetlands Internationalによると、泥炭地においてパーム油1トンを生産することによって、加工プロセスにおける排出を除いても、泥炭層の分解だけで最大30トンのCO2が排出される

アメリカのトウモロコシ

  • トウモロコシの需要増加、価格上昇
    →大豆畑のトウモロコシへの転換、大豆価格の上昇
    →大豆畑のためにアマゾンを開拓、森林破壊
  • アメリカのトウモロコシ原料エタノールの生産が560億リットル増えると、世界の耕作地が1080万ha増え、それによる温室効果ガスの増加を相殺するには167年かかる

ブラジル・アマゾンの大豆

  • 生産量は10年間で2倍以上になった
  • ヨーロッパ、中国、日本へ輸出
  • 森林→牧場→大豆畑と変えられる。1時間にサッカー場150個にあたる森林が消失する
  • アマゾンの森林減少と大豆価格の間に強い相関があるとの指摘もある

ブラジルのサトウキビ

  • 昨年のオレンジ畑からサトウキビ畑への転作:東京都の2倍の面積
    →オレンジの価格上昇
  • 収穫前の火入れが酸性雨と健康被害をもたらしている
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